田舎・地方で民泊は儲かる?向く条件と集客のコツ
この記事でわかること
- 田舎・地方で民泊は儲かるのか(都市部との違い)
- 向く立地・物件と、地方ならではの需要
- 地方民泊の集客のコツと注意点
田舎・地方でも民泊は儲かるのか
地方や田舎での民泊は、都市部と比べて「競合が少ない」「物件費用が安い」という強みがある一方、稼働率の低さという根本的な課題を抱えています。
都市部の民泊は、観光・出張・乗り継ぎなど幅広い需要があり、年間を通じて安定した稼働が見込めます。一方、地方・田舎は需要が季節や連休に集中しやすく、閑散期は稼働率が10〜20%を下回るケースも珍しくありません。
では儲からないのかというと、そうとも言い切れません。
物件の取得コストや維持費が低ければ、1泊あたりの単価設定をある程度高めても採算が合うことがあります。また、自然・体験・ペット可など都市部では提供しにくい付加価値をつけることで、高単価×ピンポイント集客という収益モデルが成立するケースもあります。
「稼働率を上げる」より「単価と体験の質を上げる」という発想に切り替えるのが、地方民泊で収益を出す第一歩です。
地方民泊が向いている立地・物件の条件
どんな場所でも民泊が成立するわけではありません。
以下のような条件を満たす立地は、地方でも需要が生まれやすい傾向があります。
立地の条件
- 温泉地・観光スポットまで車で30分圏内
- 国立公園・山・海・川などの自然アクティビティへのアクセスが良い
- 最寄りの新幹線駅や空港から送迎またはレンタカーで対応できる距離感
- 周辺に他の宿泊施設が少ない(ニッチな立地)
物件の条件
- 1棟貸し(一棟丸ごと利用)が可能な一戸建て・古民家・ログハウス
- 駐車スペースが複数台確保できる
- ペット同伴・BBQ・焚き火など「できること」が多い
- 水回りや電気設備がある程度リフォーム済みか、投資余力がある
特にログハウスや古民家は、それ自体が「泊まる動機」になります。物件の希少性やコンセプトが強いほど、検索やSNSでの発見率も上がります。
地方ならではの需要
地方民泊に訪れるゲストの動機は、都市部とは大きく異なります。以下の4つが主な需要層です。
観光・自然体験
温泉、登山、釣り、サーフィン、スキーなど、その土地でしかできない体験を目的にしたゲストは、宿泊の質よりも「体験とのセット感」を重視します。民泊施設が体験のベースキャンプになるイメージです。
ワーケーション・テレワーク利用
コロナ禍以降、都市部から離れて静かな環境で働きたいというニーズは根強く残っています。
Wi-Fi・デスク環境・長期滞在対応(連泊割引など)を整えると、平日の稼働率底上げにつながります。
ファミリー・グループ利用
1棟貸しで子どもやペットを気にせず過ごせる点は、都市部のホテルや旅館にはない強みです。大人数でも1施設で完結できることが選ばれる理由になります。
インバウンド(訪日外国人)
台湾・韓国・欧米など、日本の「里山文化」や温泉を体験したいインバウンド層は確実に存在します。英語・中国語対応のOTA掲載や、民泊施設内での案内整備が集客の鍵になります。
地方民泊の集客のコツ
OTA(宿泊予約サイト)の使い分け
- Airbnb:インバウンドや体験重視のゲストに強い。写真と説明文の質が命
- STAY JAPAN / Relux:国内の高単価・質重視ゲストに向いている
- じゃらん・楽天トラベル:国内ファミリー・シニア層にリーチしやすい
複数OTAに掲載しつつ、自分が想定するゲスト層に強いプラットフォームに力を入れるのが基本です。
写真・説明文の作り込み
地方民泊ではロケーションが最大の差別化要素です。
周辺の風景、夜空、朝霧、焚き火など「その場所の空気感」が伝わる写真を用意しましょう。説明文も「何ができるか」を具体的に書くと、問い合わせや予約の質が上がります。
SNS・Googleマップの活用
InstagramやYouTubeで施設の雰囲気や近隣体験を発信することで、OTA外からの流入も生まれます。Googleビジネスプロフィールへの登録も、ローカル検索対策として有効です。
体験のパッケージ化
釣り・陶芸・農業体験・温泉案内など、地域の体験と宿泊をセットで提案することで、単なる「泊まる場所」ではなく「目的地」に変わります。Airbnbの「体験」機能や、地域の体験事業者との提携も選択肢になります。
地方で気をつけたいこと
稼働の波が大きい
GW・お盆・年末年始・紅葉シーズンなど繁忙期に需要が集中し、平日や閑散期はほぼ空きになるケースがあります。収支計算は「平均稼働率」ではなく、閑散期を前提にしたキャッシュフローで試算することが大切です。
アクセス問題
最寄り駅からのアクセスが悪い立地では、車がないゲストは来られません。レンタカー情報の案内、送迎サービスの検討、または「車が必要な宿」とあらかじめ明記することでミスマッチを防げます。
法規制・許認可
民泊を行うには、住宅宿泊事業法(民泊新法)または旅館業法に基づく届出・許可が必要です。
また、市区町村によっては「住居専用地域は不可」「年間営業日数の上限が180日」などの規制があります。物件を決める前に、地域の条例・規制の確認が必須です。消防法への対応(火災報知器・避難経路の確保など)も見落とせません。
儲かりにくい場合の選択肢
民泊が許可されない立地、需要が薄すぎるエリア、稼働率が慢性的に低い場合は、別の活用法を検討することも一手です。
賃貸(定期借家・移住者向け)
地方では移住希望者向けの賃貸需要が生まれているエリアがあります。月額固定収入になるため、収支が安定しやすいのが特徴です。
農業体験・別荘レンタルとしての活用
民泊の届出が難しい場合でも、年間契約の別荘貸しや農業体験施設としての運営など、近接した活用方法を検討できます。
売却
エリアの需要や法規制を調べた上で、長期保有に見合わないと判断した場合は早期売却も選択肢のひとつです。地方の不動産市場は流動性が低いため、出口戦略は早めに考えておくことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 地方の民泊は、都市部に比べてどれくらい稼働率が低いですか?
エリアや物件コンセプトによって大きく異なりますが、繁忙期を除いた年間平均では30〜50%程度になるケースが多く見られます。都市部の60〜80%と比べると低めです。体験・コンセプトで差別化できている施設は、これより高い稼働率を維持しているケースもあります。
Q. 管理を全部外部に任せることはできますか?
可能です。民泊管理代行会社に依頼すれば、清掃・ゲスト対応・トラブル対応・消耗品補充などを代行してもらえます。ただし、管理手数料(売上の15〜25%程度)+OTA手数料+清掃費などを合計すると、売上の40〜50%程度が費用になるケースも珍しくありません。収支計算は必ず「手数料込み」で行いましょう。
Q. 高単価設定にすれば、トラブルのあるゲストを避けられますか?
一定の効果はあります。単価が高いほど、気軽に予約する層は減る傾向にあるためです。ただし完全には防げません。OTAのゲストレビュー確認、ハウスルールの明記、チェックイン時の本人確認徹底など、複数の対策を組み合わせることが現実的です。
Q. ログハウスや古民家は民泊に向いていますか?
コンセプトとして非常に強みがあります。「そこにしかない宿」として認識されやすく、写真映えもするため、SNSやOTAでの自然な拡散が期待できます。一方で、断熱・設備の維持コストが高くなりやすい点には注意が必要です。
Q. インバウンド向けに特別な対応は必要ですか?
最低限、Airbnbなどの英語対応OTAへの掲載と、施設内の案内(ゴミ分別・緊急連絡先など)の英語表記は用意しておくと安心です。Wi-Fi環境の整備も必須と考えておきましょう。対応言語を増やすほど、リーチできるゲスト層が広がります。